Yukiさん (RECREATION/Music Therapist :レクリエーション/音楽 セラピスト)
愛知生まれ。 高校よりスイスへ留学。
学校のプログラムでUCLAの語学学校に1ヶ月半短期留学し、カリフォルニアに惹かれる。
チャップマン大学にて音楽療法を専攻し、卒業後、
State Forensic Mental Health Hospital(州立法医学精神衛生病院)にて、
レクリエーション/音楽 セラピストとして活躍中。 現在はエアロビのインストラクターとしても活動している。
『 英語との出会いは中学校の義務教育です。 正直、嫌いでした・・・。』
Q. 何故、英語は嫌いだったのですか?
日本人なのに、なんで英語を習わなきゃいけないの?っていうか...疑問文とか、なんで単語の順番が変わらないといけないのかとか、意味不明なことばかりで(笑)。 英語の勉強の意味も英語の勉強内容も全く理解できなかったんです。
Q. どのくらい嫌いだったのですか?
どのくらいかなあ...成績はかなり悪かったのを覚えています。 授業中は友達に手紙を書いて回したり、ほとんど勉強に興味がありませんでした。 全く勉強してなかったですね(笑)。
『たまたま見かけた海外の日本人学校に興味を持って、軽い気持ちで受験してみたら・・・』
高校受験の時期になって、偶然見かけたスイスの日本人学校に興味が沸いたので、軽い気持ちで受験してみたんです。 そうしたら、なんと合格して。 それ以上、意味のない受験勉強をしたくなかったという気持ちもあって、その高校への入学を即決!(笑)。
Q. 合格したスイスの日本人学校へは何故行こうと思ったのですか?
正直に言うと、その学校の受験は12月に終わったんですよ。 結果も年内に分かったので。普通は高校受験って、2月とか3月に行われるでしょ。 だから、冬休みも勉強しないで遊べるじゃん!みたいな・・・軽い気持ちから(笑)。 あとは、単なる外国への憧れからですかね。
Q. 学校の授業はどんな感じでしたか?
授業は日本語と英語で行われました。 高校2年生になると、2つのプログラムから好きな方を選択できました。 ひとつは、日本の大学に進学したい人用。 もうひとつは、海外の大学に進学したい人用。 私は何故か海外の大学に進学するコースを選択しました。 こっちは、英語の授業が増えるんです。 US Historyとか、Literatureとか。 勿論、日本語で数国理社の授業も受けます。 日本史とかは日本語ですし(笑)。 ちなみに、日本の大学を目指すプログラムであれば、英語以外の科目は日本語での授業だったと思います。
Q. 英語力はどのように変化していきましたか?
何せ、日本人学校でしたので、話すのは上達しませんでした(笑)。 TOEFLとかはものすごく勉強させられたので、ReadingやGrammarはそこそこだったかと思います。 WritingはJournalを良く書かされていましたが、中学校レベルの単語しか使っていなかったかもしれません。 辞書を使うのが面倒くさかったので・・・(笑)。 正直、まともに話せるようになったのは、アメリカに来てからです。 特に仕事で初めて周りに外国人しかいない環境で、しかも絶対に話さないといけないという状況に追い込まれたらさすがに伸びましたね。 大学に入学した当初はカタコトだったとおもいます。 電話なんか大嫌いでしたし(笑)。 だから、大学生活の初めの頃はかなり英語で苦労しました。
Q. その学校は日本人だけでしたか? 英語の授業はどんな感じで行われていたのですか?
生徒は日本人のみでした。 先生は日本人と外国人で、外国人の先生も、ほとんどが日本好きで、日本に行ったことのある、日本語が分かるっていう人たちばかりでした(笑)。 ただ、ポリシーとして、授業中は外国人の先生は日本語を話してはいけませんでした。 生徒が日本語で話しかけたり、話しているのを理解しても返事をしないという感じでした。
『機会があってUCLAの語学学校に...』
高校在学中は、かなり英語を勉強しました。 というよりも、むしろさせられていたのかもしれません。 そして、学校のプログラムの中で、夏休みにUCLAの語学学校に1ヶ月半行くことになりました。 その時に、カリフォルニアの青い空とビーチに惹かれて...即座にアメリカの大学に行く決意をしましたね(笑)。 それから頑張って勉強して、無事カリフォルニアのチャップマン大学に入学することができたのです。 大学では音楽療法を専攻しました。
Q. 何故、音楽療法を専攻したのですか?
初めから音楽療法に興味があったのではないんです。 アメリカの大学に行きたいとは思っていたものの、これといってやりたいことがあったわけではないので・・・。 音楽は小さい頃からずっと好きだったけれども、「パフォーマンスではプロとして将来食べてはいけないよなあ」って思ってたときに、ある本(アメリカの大学&Major一覧みたいなもの)で「音楽療法」という専攻を発見したんです。 それで、「これでいいかな?」みたいな軽い感じでそっちに進んでみようと。 まあ、嫌になったらMajor(専攻)を変えればいいしって思っていたので。
Q. 授業はどんな感じでした?
ほとんどの音楽(専門)のクラスは私としては簡単でした。 音楽で使う用語って、そのまま外来語として日本で使っていたものと同じだったので、その分楽でした。 難しかったのは、そのほかのクラスです。 PsychologyとかAnatomyとか、これらは全く意味不明だったし(笑)。ただ、クラス自体はほとんどが少人数だったので、それは非常に良かったと思っています。 音楽療法のクラスなんか、10人もいたのかなぁって思うぐらいですし(当時は)。
『卒業後は、RECREATION/Music Therapistとして働いています』
大学を卒業してからは、State Forensic Mental Health Hospital(州立法医学精神衛生病院:精神病のため、裁判出頭が不可能だと判断された人、もしくは、精神病のため有罪判決が出なかった人が拘置所や刑務所に収監される代わりに、この病院で治療をうける。 簡単に言えば、精神病を患っている犯罪者を治療する病院)でRECREATION/Music Therapist(レクリエーション/音楽 セラピスト)として働いています。
Q. Recreation/Music Therapistとはどんな職業ですか?
音楽、またはその他のレクリエーション方法を使っての治療のはずなんですけど・・・、いろんなことをしてます(笑)。 裁判所の仕組みを教えたりとか、Substance Abuse(薬物乱用)のグループにギターを教えたりとか。 あと、Stress Reduction Thru Drumming(ドラム演奏によるストレス解消法)とか、エクササイズ(軽い運動)をやったり、カラオケをやったり、絵を描いたり、塗り絵をしたり、サッカーをやったり、ビンゴゲームをしたりなど・・・。 患者さんたちは精神病を患ってるわけですので、その症状を良くするために行うんですよ。 決して遊んでるだけではありません(笑)。 例えば、体を動かすことはDepression(うつ)に良いとか、Social Skill(社交術)を身につけるとか。 目的に応じて、レクリエーションを考えるわけです。
Q. 毎日、何人くらいの患者をを診ているのですか?
病院の中でUnit(ユニット)というグループ単位があって、私が働いてるUnitは50人弱の患者さんたちがいます。 Group(グループ)はだいたい1つにつき、10~16人ぐらいです。
Q. この仕事をしていて、苦労したことや大変だったことは何ですか?
理不尽なペーパーワークですね。 最近は患者さんを診るよりもペーパーワークをしてるんじゃないかって思うくらいです(笑)。 あとは人間関係が大変だったり、苦労したりします。 たまにですけど、ドクター(医師)で俺様みたいな人がいるから(笑)。 人の話を全く聞かないし。
Q. やっていて良かったなあと思える時や「やりがい」は何ですか?
長いことずっと病院にいた人が、はれて社会復帰したときは、本当に嬉しいです。 病院に来た初めの頃は、「この人かなりやばいなぁ」って思うような人が、治療によってものすごい変化を遂げたとき、やっていて良かったなあと思いますし、すごくやりがいを感じます。 あとは、仕事内容の割りに給料はいいんじゃないですかね。 残業とかはないですし(笑)。
『3年前にFitness Instructorの資格を取って、現在、エアロビのクラス教えてます・・・』
Q. なぜ、この資格をとったのですか?
単純に暇だったからです(笑)。 当時、スポーツジムに通っていて、エアロビのクラスをとっていたんですよ。 それで楽しそうかなって思って。
Q. 今後、何か他に挑戦したり、やりたいことがありますか?
現在、スペイン語を勉強中です。 患者さんにもメキシコ人が多いので(笑)。 お金を貯めて、ヨーロッパに遊びに行きたいなぁ。
Q. 最後に、読んでくれている人にメッセージを!
英語を勉強してきて、英語を話せて、特別に得したって思うことはないんですが、単純な話、海外旅行の時に困らないし、映画は字幕なしで分かるし、まあ、その場で間接的じゃなくて直接的に何かを楽しめたり、感じれたりすることはすごく良いことだと思っています。
今、そして、これから学校で英語を勉強する子供たちや、英語に興味をもって勉強している大人の方々に私が言えることは・・・、英語(他の言語でも一緒ですが)は、要は慣れだと思うので、英語に触れる機会があったら、ぜひ、出来るだけ触れるように心がけてみてください。 触れる機会を作ることが大切だと思います。 最も英語が上達する方法は、出来るだけ生の英語に触れるということだと思います。 しかも、英語しか話さない状況で(笑)。 ぜひお試しあれ。
ちなみに、私の座右の銘は「何事も何とかなる」です! ポジティブな思考でいることは非常に大切なことだと思っています。